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辻野晃一郎さん、それは違うんじゃないですか

ちょっと前の話らしいけどなんか盛り上がってるので。
ソニーOBを批判していた匿名アカウントがソニー社員だったと話題にwww : IT速報
簡単に言うとソニーの元偉い人がソニー社員が言ってる悪口を見つけて恫喝したという大企業にありがちのハートウォーミングストーリーなわけですが、この騒動を受けて辻野氏はこういう文章を発表しています。
先人が切り開いたソニー・スピリットの復活を心から祈る―ソニーの病巣の深さを改めて考えた― 『現代ビジネスブレイブ リーダーシップマガジン』---辻野晃一郎「人生多毛作で行こう」より | BRAVE NEWS | 現代ビジネス [講談社]
で、この文章がもうパーフェクトにひどい。
ここまでひどい主張は久々なのでその辺をちょっと見て行きますよ。

個人名が公になっている人は、ネットなどで突然思わぬ攻撃を受けることがあると思うが、私もツイッターなどで、「これはいくらなんでもひどい」と感じる一方的な攻撃を受けることがある。先日も、見ず知らずの人からツイッター上で個人攻撃を受けたことに端を発して、プチ炎上に巻き込まれたので、今回はその経験から感じたことをまとめておきたいと思う。

はいここ。
ではこの話の発端を見て行きましょう。
https://twitter.com/tks900/status/435250796557393920

辻野氏なんてウォークマンを潰した張本人だろう。辞めて大きな成果を出した人なら聞く意味があるかもしれないが、取材し易いというだけで聞いた話は記事を薄くするだけ。

まあありがちな批判ですな。
ここで注目したいのは「これは独り言のツイートである」ということですね。
特定の人物に向けられているものではありません。
これに対し辻野氏はこういうリプライを送っています。
https://twitter.com/ktsujino/status/435385162826653696

@tks900 おまえ、どこの誰なんだよ。偉そうな事言うんなら、ちゃんと自分の目と耳と足使って自分で真実を調べ抜いた上で正々堂々と名乗ってから意見しろよ。

独り言に対しつっかかっていったのはどう見ても辻野氏の方ですね。
エゴサーチしてたまたま見つけたツイートに対しキレたものと思われます。
さて、先ほどの記事になんて書いてあったか確認してみましょう。

先日も、見ず知らずの人からツイッター上で個人攻撃を受けたことに端を発して、プチ炎上に巻き込まれた

もう初手から間違えてますね。
「個人攻撃を受けた」のではなく「個人攻撃を見つけた」が正解です。
これは受動的ではなく能動的な話です。
プチ炎上(では済まないことになってますが)に巻き込まれたのではなく、自分から橋を作って対岸の火事
見学しに行ってるんだから巻き込まれたってのはちょっとね。
というか、そもそもこれは個人攻撃なのかね。
「辻野氏なんてウォークマンを潰した張本人だろう」というのは批判的な意見ではあるけれども個人攻撃ではないと思うんだけど。
個人攻撃って特定個人の「存在」を攻撃する行為であって、特定個人の「功罪」を批判するのは個人攻撃じゃないんじゃないかね。
「○○は馬鹿だ!」みたいなのは個人攻撃だけど、「○○は自分のところの企業の話をしてるのに予算委員会退席してるんじゃねえよ!」は違うでしょ。
まずそこがおかしい。


次。

別に今に始まったことではないが、この手の一方的な攻撃は、たいがい的外れなことが多く、大抵の場合は黙殺するのだが、たまにこちらも虫の居所が悪い時など、あえて乱暴な言葉を使って反撃を試みることなどがある。相手の出方や周囲の反応を見るためだ。そうすると、今度はまた寄ってたかって「聖人君子」や「正義の味方」が続々と登場してきて、さらにさまざまな攻撃に晒されて、いわゆる炎上といったことになることも多い。それでこちらもバカバカしくなって離脱すると、今度は「逃げた」とかなんだとか、散々な罵詈雑言を浴びせ掛けられる。

いやそれは逃げてるだろう。
「あえて乱暴な言葉を使っ」た時点で売り言葉に買い言葉なわけだから喧嘩の売買成立ですよ。
諾成契約ですよ。意思主義ですよ。
これが丁寧なとは言わないまでも普通の受け答えで最終的に「あなたとは会話ができません」となればそれは逃げてないといえるだろうけど、相手と同じ土俵の上で対峙する意志を見せた時点でレフェリー不在のプロレス巌流島ですよ。土俵だけど。
そこで「猪木あいつ狂ってるわ、もうやってられんわ」と言ってマサ斉藤が帰ったらそれは逃亡でしょ。
同じですよ、乱暴な言葉で反撃した時点で。
あと、これ。

今度はまた寄ってたかって「聖人君子」や「正義の味方」が続々と登場してきて

辻野氏のtwitter見ればわかるんだけども、この人の側にも同じような人が続々参戦してるんだよね。
しかもそれを本人がRTして「ほら見ろ、俺のほうが正しいという人はこんなにいるんだぞ」といういわゆるtwitter秘技「雄孔雀」((孔雀のようにRTの羽根を広げて自分の強さを誇示する行為(初出:民明書房)))を行ってる時点で聖人君子や正義の味方を批判できないでしょうよ。

「逃げた」と言われても、こちらは、もともと公人として実名で発言し行動しているわけだから、どこに逃げも隠れもしようがないし、そもそも、このようにネットでありったけの罵詈雑言を浴びせ掛けてくる人たちはそのほとんどが匿名で、この人たちこそ最初から逃げ隠れしているのだから、その言い分にはそれこそ笑ってしまう。

でーたー、新興宗教実名至上主義の人が信仰する秘仏「匿名の卑怯者」でーたー。
つか「もともと公人として実名で発言し行動している」人は勝手に実名で行動すればいいけど、じゃあ私人はどうすればいいのって話ですよ。
公人だから実名だっていうのなら私人は匿名でもいいじゃんって話になるし、そうじゃないならなんで突然公人とか言い出したのって話になるじゃん。
一体どういうことなの。

この連中は一度絡んでくるとどこまでも執拗なことが多く、一方的で自分勝手な思い込みに基づいた解釈でいかにも正論のようなもっともらしい理屈をこねくり回して相手を攻め続ける。そして言うだけ言って気が済むと、今度はご丁寧に一連のやり取りのまとめサイトをあたかも自分達の勝利宣言のごとく作り上げ、意気揚々としている。繰り返しになるが、このようなことをする人たちには匿名が多い。

まあ実名至上主義者はだいたいこうやって「匿名相手なら何を言っても構わないしどうせ反論もできないチキンだろうから俺は好き勝手言わせてもらうぜしかも閲覧者数が段違いのメディアを使って大々的にな、なぜなら俺は実名という聖なる十字架を背負ってるんだから当然の権利だ匿名は首切り落とされて遠くに投げ捨てられてろよ、あとで象の首乗っけてやるからよ」みたいな態度であたかも自分達の勝利宣言のごとく作り上げた記事を発表するんだよね。
意気揚々としてるのはあなたもですよねと誰か言ってあげて欲しい。
誰も言わないから俺が言うけど。匿名の俺が。実名バレまくってる匿名の俺が。

今回も、このパターンで攻防が始まった。最初に絡んできた匿名者に一応名乗るように言ってみたが当然名乗るはずもない。匿名をいいことに周囲も巻き込んで言いたい放題が延々と続くので、彼やその仲間が自分たちでネット上に公開している情報から本人を特定したうえで実名で語りかけてみた。

そのパターンで始まってないのはツイートを見ればわかるわけですが、それはそれとしてこういう奴って相手の実名がわかるとそれを武器として使うよね。
俺もIさんにやられたことあるけど、そういう行為が攻撃に使えるという自覚があるならじゃあなんで実名至上主義に走ってんのってことですよ。
実名を出すことによって問題が発生する土壌があるわけですよ、日本のネット社会には。
前も書いたけど俺の実名がバレた時には俺の仕事先に「私はレイプ犯です、迷惑がかかるので退職します」っていうメールを送った奴がいるわけで、そんな奴がいるのに実名公開とかなんで強制されなきゃならんのだって話ですよ。
で、そういうことが起こりうる恐怖から匿名にしてる人もいるはずで、それを知ってて「匿名の連中は実名バラされたらビビるだろ」みたいな考えが頭の中にある時点でもう実名至上主義の崩壊なんだよ。
実名公開しても問題ないのならわざわざ相手の実名持ちだす必要ないもんな。
持ち出すってことは実名に問題があるってことだもんな。

すると、そのとたんに態度が急変、謝罪して来たり、実名を許可なく晒すのはtwitter規約違反だから削除して欲しい、などと懇願して来た。そして、こちらがそれに応じないでいると、挙句の果てには自分のアカウントを非公開にしてしまった。それこそ、完全な「逃げ」である。

そりゃまあ恫喝行為からは逃げるよな。
殴り合いから逃げたらチキンだけどさ。
「へー、小学生の娘さんがいるんだ。娘さん、夜に学習塾に通ってるそうですね。夜道は危険だよって言ってあげたほうがいいんじゃないですかね」みたいなこと言われたらやめろと言うし謝るし姿を隠したりしますわな。
それ見て「あいつwww逃げたwww完www全www勝www利www」みたいなこと言ってるのって匿名の卑怯者と何が違うの。
ただ単に実名の卑怯者でしょ。同じ卑怯者じゃん、仲良くしなよ。

このプチ炎上を観察していた高広伯彦氏(株スケダチ、株マーケティングエンジン)は、このありさまを、「匿名の間は強気の姿勢で相手をギブアップさせたかのようなこと言ってて、実名バレして以降は本人がギブアップの姿勢を見せてるって。。。情けないね」と書き込んでいる。

高広伯彦氏(株スケダチ、株マーケティングエンジン)のツイート抜粋です。

https://twitter.com/mediologic/status/437100243440914432

辻野さんに絡んでたバカがいたんだね。

https://twitter.com/mediologic/status/437101690592833536

Twitterでバカな絡み方してくる連中って、結局は何にでも傍観者であって、舞台に立つ資格も能力も無いような人たちなんじゃないかと。

https://twitter.com/mediologic/status/437519112903065600

実名判明してしまって急に謝罪モードって、Twitterでは見かけますよね。お疲れ様です。

https://twitter.com/mediologic/status/437568082056593409

そもそも、Twitterで実名さらされて「プライバシーの侵害だ」とかいうのがバカバカしい。匿名で書いてようが実体として本人は存在するわけであって、しかもネットで実名が全く出てないならともかく、過去のツイートやグラフやプロフィールでわかってしまうこともあるわけで。

https://twitter.com/mediologic/status/437570341356204032

そもそも実体は存在するし、実名バレたからといって匿名で書いたことをナシにして欲しいみたいなこという人って相当バカだと思うよ。

https://twitter.com/mediologic/status/437570715785920512

しかもTwitterでの匿名アカが実名バレたとこで、なんのプライバシー侵害なんだろ。個人情報としてそこまでシビア?メアドや住所・電話番号やや口座じゃないし。って考えると、結局不手際発言をしたことに恥かいたからってことに過ぎないと思えるよね。プライバシー、プライバシーってアホかと。

https://twitter.com/mediologic/status/437578920138121216

まぁそもそも、Twitterにおいて匿名アカが実名を公表されることをプライバシー侵害と呼ぶのかどうか。実名でなく匿名で運用してるのはやましいことがあるからであって、それならプライバシーうんぬんいう以前になんか問題あるのじゃないかとも思えるね。

実名至上主義の決まり文句である「匿名で運用してるのはやましいことがあるから」が出てきたね。
やましいことがあるなしと実名云々は関係ないということを近年のtwitterを見ていて気づかないもんなんでしょうかね。
実名アカウントが法に触れてる事例は山のようにあるんだけど。
まあ実名は法に触れてるのがやましいとは感じてない可能性も無きにしもあらずだけど、そういうことを言うと実名と匿名に差があるみたいな意見になっちゃうのでそれはまあそれで。
https://twitter.com/mediologic/status/437746668176699393

実名晒されて困るようなこと言わなければいいんだよなあ。バカですか、ほんと。

https://twitter.com/mediologic/status/437746834392760322

というか、Twitterを実名でやんないから、リミッター外したようなバカやらかすんでしょうよ、匿名アカは。

https://twitter.com/mediologic/status/437747024608624640

陰口をパブリックな場所でやるという矛盾に気づけよな。ほんとバカ。

https://twitter.com/mediologic/status/437747909300203520

今日もTwitterはバカばかり。


ところでこの高広伯彦って人、調べてみると何件か面白案件発生させてるらしいんですよね。
【炎上フェイスブックマーケティング】怒れる高広さんが新野さんを召喚し公開糾弾:Birth of Blues
LINE発炎上系プロデューサー谷口マサト氏爆誕 featuring 高広伯彦氏: やまもといちろうBLOG(ブログ)
【バトル後】佐々木俊尚vs広告業界人と周囲の感想まとめー評価経済キタコレー - NAVER まとめ
https://twitter.com/mediologic/status/166836916409466882

佐々木俊尚さんの一件で、みんながビビって、つぶやきたいことつぶやけないとかなったらつまらんね。つぶやき奨励。匿名か実名かなんて関係ないでしょ。ただ匿名にしないと言えないようなバカなつぶやきするヤツがいるってだけでさ。

おい。


話を戻しますよ。

実は、私が突き止めたこのグループの人たちは、現役のソニー在籍者であったり、ソニーで働いた経験のある人たちであった。私の真意としては、ソニー関係者だということがわかったので急に仲間意識が芽生えて、そういう後ろ向きなことに時間を使うのはやめて、ソニー・スピリットの原点に立ち返って未来や前を向いて進んだらどうか?と激励したいとの思いであえて実名で語りかけたまでだった。


しかし、その思いはまったく通じずに、ツイッターがあたかも匿名を保証しているコミュニケーション手段とでも勘違いしているのか、実名を晒された、ということでパニック状態になっているようであった。

いや通じるわけないじゃん。
いきなり実名で話しかけられたら気持ち悪いじゃん、知り合いでもないのに。
つかソニー関係者と実名関係ないじゃん。
「あなたソニーの方ですよね」で済むじゃん。
自分の実名を1万を超えるフォロワーに公開されたらそりゃ嫌でしょうよ。
俺は十数万人に公開されたけどな。

本来、直接向かい合って、「自分ならこうする」とか、「こうしたはずだ」という中身のある批判をするのであれば、それがどういうものであれ、まず受け入れて進むことができるのであろうが、残念ながら、世の中、そういう批判者はほとんどいない。自分はその立場にないとか、身分がちがうとか、オレの問題ではない、という具合で、厄介な人との対話は持ちにくい。向かい合う方法がないから、こちらには何とも「嫌な」気持ちだけが残る。

まず向かい合ってないしな。
twitterのツイートなんてテレビ見ながら出演者に文句言ってるみたいなもんなのに「自分ならこうする」とか書かねえよな。
朝生じゃねえんだから一方的でもいいだろ。


で、この先はソニーについての話なのであんまり言うことはない。
ただ、自分は辞めたソニーへの批判をしておきながら

過去の経験からも、日本人は、陰で、あるいは当人のいないところで、相手を誹謗中傷するのが本当に好きな人種だと思う。これはもう、日本の企業文化といってもよい位ではないだろうか。直接は言わない、言うことは聞かない、守らない。でも、やたら、理屈っぽく、陰では持論や自身の正当性を主張する。

と言ってるのはどうかと思ったけどね。
辞める前に言いなよ。




ところで、「ウォークマンを潰した」という話は実際どうなのかということでちょっと調べてみた。
全文表示 | ソニーウォークマン「4年8ヶ月ぶり首位」 アップル新製品で巻き返しは必至 : J-CASTニュース

BCNは9月2日、携帯オーディオプレーヤーの販売台数週次シェアを発表した。それによると、8月最終週(8月24日〜30日)は、ウォークマンを販売するソニーが43.0%で1位だったのに対し、iPodで対抗するアップルは42.1%の2位にとどまった。アップルが首位から落ちるのは2005年1月第2週以来で、実に4年8カ月ぶりの王座陥落だった。


アップルは初代iPod nanoを発売した直後の05年11月に6割弱のシェアを獲得して、日本の携帯オーディプレーヤー市場を席巻。一方、ソニーはわずか1割弱で明暗が分かれていた。しかし、ソニーは機種のバリエーションを増やすなどしてシェアを回復していき、09年1月第1週には33.3%まで戻した。その後も着実にシェアを伸ばし、ついにアップルを逆転した。

ソニーマーケティング株式会社のプレスリリースによれば
ソニーネットワークウォークマン メーカー別シェア27%超える~音質を追求した上位モデルとエントリーモデルで躍進!~|ソニーマーケティング株式会社のプレスリリース

この度、6月25日(月)株式会社BCNより、1年間( 2006年6月から2007年5月まで)の
携帯オーディオのメーカー別販売台数シェアの推移が発表になりました。このデータより、
パーソナルオーディオ市場における、ソニーの販売台数のシェアが3月から拡大してきていることが顕著になっております。 

とのこと。

wikipediaの記述では
ウォークマン - Wikipedia

2001年以降は、デジタルオーディオプレーヤーの世界的な普及に伴い、日本国内市場でも激しい競争にさらされることとなる。ソニーは、デジタルオーディオプレイヤーの開発において先駆者であったが、上記のフォーマット騒動等、ユーザーの利便性を考慮しない製品が続いたため、後発であるアップルのiPodにシェアを奪われることになった。


2006年10月にはNW-S700Fシリーズが発売され、高音質化やマルチコーデックへの対応により、一定のシェアを回復した。

wikipediaの記述なのでまあ信頼度はどうかと思うけど、回復しだしたのは2006年後半から2007年にかけてのマルチコーデック対応くらいからと見て良さそう。
そして辻野氏がソニーを退社したのが2006年3月。
となるとまあ凋落の責任がないとは言い切れないと思うんだけどもどうなんだろう。


と思ってたら辻野氏の著書にこんな感じのことが書いてあるそうだ。
辻野晃一郎『グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた』(新潮社、2010年):mes pensées:So-netブログ

危機意識を強めたソニーがようやく重い腰を上げたのは、2004年の年末のことであった。それまでの、ハードウェア側と音楽コンテンツ側のばらばらの動きを改めようと、日本のハードウェア部隊と、米国の音楽コンテンツ部隊を統合した「コネクトカンパニー」が設立されたのである。

(私に)突如、このコネクトカンパニーをやって欲しいという声がかかった。しかし、それを最初ははっきりと断ったことも既に述べた。・・・唯一可能性があるとすれば、ソニー本体とは別の新会社を起こしてチャレンジする以外にないと思い、その考えに沿った提言をまとめたのだ*。会社からは、年が明けたら私が提言した方向で進めるという返答があり、最終的にはコネクトカンパニーを引き受けることに決めた。

しかし、コネクトカンパニーの立ち上げは最初から難航した。ウォークマンはパーソナルオーディオ・カンパニー(PAC)の管轄になっていたが、コネクトカンパニーはPACとは別に作られたので、まず、ウォークマンの主力部隊を大至急コネクトカンパニーに移さねばならなかった。

本来であれば、カンパニー発足時にPACをコネクトカンパニーに統合するような組織変更や人事をトップダウンで断行しておくべきであるのに、PACを残したままコネクトカンパニーが設立され、組織の立ち上げは当事者同士の調整に委ねられてしまったのだ。年明けの設立の話もいつの間にかうやむやになった。

当然のことながら、コネクトカンパニーはPACから敵対視され、リソースの統廃合にはあの手この手で抵抗されて四苦八苦した。

コネクトカンパニーの本質は、ソニーのエレクトロニクスビジネス側のハードウェアチームと、エンターテインメントビジネス側のコンテンツチームを密結合させて、ネットワーク時代に合わせた一気通貫の新たな生態系(エコシステム)を構築することにあった。エレキは日本中心、コンテンツは米国中心に動いていたので、この統合は、日米にまたがったリソースの統合でもあった。そのため、私はハードウェアを主に担当する立場、ということになり、もう一人、コンテンツを主に担当するフィル・ワイザーというアメリカ人のプレジデントが任命された。・・・ コネクトカンパニーは、私と彼の二人のコ・プレジデントの共同責任体制、ということになったのである。

二人のプレジデントによる共同経営といういびつな布陣が、コネクトカンパニーの意志決定を複雑なものにしたことは間違いないが、それは、今や、エレクトロニクス産業とエンターテインメント・コンテンツ産業の両方のビジネスを保有し、それらをグローバルに展開するソニーという会社の宿命でもあり、その複雑系を象徴する布陣でもあった。

日に日に勢力を伸ばすアップルを追撃するためには年末商戦を逃すわけにはいかなかった。9月(2005年)に、半ば見切り発車で新商品発表会を行い、アップル追撃の切り札としてウォークマンAシリーズとコネクトプレーヤーによるソニーウォークマンの新しい生態系をアピールした。

しかし、そうした我々をあざ笑うかのように、アップルは同じ日に彼らの次の戦略商品であったiPod nanoの発表をぶつけてきた。新商品発表会でスピーチをする直前、スタッフが入手してきたiPod nanoが手元に届いた。彼らの新製品を一目見た瞬間に、私は敗北を悟った。

ソニーのガバナンスが混乱する中で生まれたコネクトカンパニーは、最初から短命を運命づけられていたのかもしれないが、こうして継続性を断たれ、その構想を具体化していくことも、失敗から学んでその経験を次の展開に生かすことも、出来なくなった。

従来のやり方では勝負できない時代になったからこそ、本社直轄でコネクトカンパニーが作られたはずであったが、それは再び、従来のやり方の中に戻されていった。

コクーンで道を断たれ、再びコネクトで道を断たれた自分にとって、これ以上ソニーに残る理由は、もはやどこにも見当たらなかった。

なんか「組織のせいで負けた、こんな組織にいる理由はない、だから辞めた」と書いてあるような気がするんだけど。
書いてあることを全て事実として考えてみても「確かに組織的にどうしようもなかったんだろうけどそれはそれとして責任者だったんだからお前が責任取れよ」って気になっちゃうんだよな。
本人は俺のせいじゃないと言う、でも外から見れば責任者あんただろってことでどっちの言い分もわかるんだよな。
まあ実際どうだったのかなんて知る由もないんだけど。


とりあえずエゴサーチして見つけた他人の意見に文句つけるときには喧嘩腰で行くとろくなことがないよってことですね。
終わり。




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