池田信夫がどれくらいひどいことをしているのか、本人のツイートを抜粋して検証する。
「たいしたことないじゃん」と思われる内容もあるかもしれないが、それは情報が入ってきている我々の感覚での話。
情報が不足している被災者が見たらどう思うか、で判断するように。
http://twitter.com/#!/ikedanob/status/46106767301689344
これはたぶん誤報。NHKは8.4。CNNの情報がそれより速いことはありえない。
http://twitter.com/#!/ikedanob/status/46113522005975040
先ほど訂正しましたが、マグニチュードは定義が違い、日本基準では8.4、米基準では8.9のようです。
※訂正なし
http://twitter.com/#!/ikedanob/status/46267613256499200
※スリーマイルは炉心溶融です
http://twitter.com/#!/ikedanob/status/46270248923570176
そうです。しかしゆっくり起こったので、人的被害はほとんどなかった。 RT @ryuone1978: スリーマイルは炉心溶融していました。当初はしていないと思われていましたが。
※上のツイートと合わせて読むべき
http://twitter.com/#!/ikedanob/status/46279995462660096
すでに3:25の放出はやったので、このシミュレーション通りに進行していると考えていい。その予定通りいけば、13:30には安定するはず。それほど恐がることはない。
http://twitter.com/#!/ikedanob/status/46281858522157056
ECCSが止まったらしい。そんな重大な発表が、なぜ8時間後に出てくるのか。これはもう冷却できないということだから危ない。
http://twitter.com/#!/ikedanob/status/46399979287363584
その通りだと思います。 RT @kurocyan: 設計サイドからしか言えませんが、地震で自動停止した時点で、いわゆる核分裂の連鎖反応は停止しています。その後の崩壊熱除去を速やかに、するための補助装置の電源喪失というだけです。今のままでも時間をかければ安全に冷却されます。
※これも上のツイートと合わせて読むべき
http://twitter.com/#!/ikedanob/status/46396543477104641
「炉心溶融」というのは、普通は核反応が暴走して原子炉が破壊される事故をいうので、今回はその心配はありません。しかし燃料棒が破損して大気中に核物質が放出されるスリーマイルぐらいの事故はありうる。
http://twitter.com/#!/ikedanob/status/46442389606383616
出た。炉心溶融しても、原子炉が崩壊しない限り大丈夫だが・・・
※ツイート内で矛盾が発生している。炉心溶融の定義すら理解出来ていない。
http://twitter.com/#!/ikedanob/status/46416867874705408
「炉心溶融」という言葉に過剰反応しないように。スリーマイルは炉心溶融だったが、チェルノブイリのように原子炉が崩壊する「チャイナ・アクシデント」にはならなかった。すでに「燃料溶融」は起こっているが、ECCSが作動すれば破局的な事態にはならない。
http://twitter.com/#!/ikedanob/status/46382978582056960
常識的に考えて、ECCSの配管はかなり破損しているはず。冷却剤が入らないと、電源だけ来てもどうしようもない。ただ制御棒は入っているので、暴走することは考えにくい。スリーマイルも炉心は溶けたが「チャイナ・アクシデント」にはならなかった。最悪の場合それぐらいはありうる。
http://twitter.com/#!/ikedanob/status/46481941523996672
今みたいになるからですよ。決着がつくまで延々とテレビで中継するから、実態以上に大事件という印象が残るが、結果的にはチャイナ・アクシデントを防いだ成功例。
※チャイナアクシデントという言葉の定義が不明。これに関しては後述。
http://twitter.com/#!/ikedanob/status/46485975181963264
水蒸気爆発ですね。もう放射性物質はすべて放出された。
http://twitter.com/#!/ikedanob/status/46488495048503296
ただ格納容器は壊れてないようなので、放出された放射性物質はそれほど多くない。あとはとにかく原子炉を守って核反応を止めること。
http://twitter.com/#!/ikedanob/status/46493435175239681
チェルノブイリよりはるかに少ないと思います。たぶんスリーマイルより少ない。
http://twitter.com/#!/ikedanob/status/46496783802712064
スリーマイルは核燃料が大気中に出たので、今回よりはるかに深刻です。今のところは10km待避ぐらいで十分でしょう。あまり広げると避難でパニックになる。
http://twitter.com/#!/ikedanob/status/46498825325641728
繰り返しますが、今はまだ格納容器も圧力容器も破損していないらしいので、10km以上離れている人は恐れる必要はありません。
http://twitter.com/#!/ikedanob/status/46507430229721088
今は陸から海に風が吹いているので、心配はありません。
http://twitter.com/#!/ikedanob/status/46544364264099840
「原子炉建屋かタービン建屋かわからない」という不自然な発表は、原子炉が「爆発」したと思われるとパニックになるのでごまかして時間を稼ぎ、ホウ素などの措置とワンセットで発表するためだろう。こんな大事なときに嘘をつくことが国民の信頼を失うことに気づかない役人の浅知恵。
チャイナアクシデントという言葉だが、チャイナシンドロームの書き間違いの可能性がある。
だとしてもチャイナシンドロームの意味を勘違いしている。
日本集団災害医学会|用語集
炉心溶融のこと。
また、「原子力戦争」という田原総一朗の小説、及びその映画に「チャイナアクシデント」という言葉が出てくるのでその可能性もある。
この場合も意味することは「炉心溶融」であり、どちらにしても間違った発言をしていることになる。
もし、仮に勝手に言葉を作ったのだとしたらそれは情報ですらない。
さて、現時点でのツイートを抜粋してみたが、言ってることが正反対であったり完全に間違っていたりと、人を混乱させるようなツイートが非常に多いことが分かる。
「重大な間違いはない」という意見もあるだろうが、問題はそこではない。
問題はこのツイートを同一人物、しかも10万近いフォロワーのいる人間が行っているということだ。
情報の伝播力を考えれば軽々しい発言はすべきではない立場だろう。
ところが池田信夫は「読みたくなければ読むな」「災害のときは、不確かな速報も必要なんだ」などと自己を正当化する発言を行なっている。
これはもう善意という名の悪意でしかない。
平時ならそれでもまだ「リテラシー」で済まされる問題かもしれないが、災害時では許されざる行為と言い切っていいのではないか。
情報の取捨選択が困難な被災者のことを考えたらこんな無責任な発言を正当化することはできないはずだ。
また「たぶん〜」「〜らしい」などという不確定な要素を根拠にして「恐れる必要はない」「心配はない」などと発言しているのも問題だ。
注意喚起だなんだと彼を擁護していた人間は、本当にこれが注意喚起に見えているのだろうか。
最後に、このツイートを紹介して終わりにする。
http://twitter.com/#!/ikedanob/status/46549134030802944
彼はろくに情報のないけさの段階で「原子炉にはまったく問題はない」と断定していた。「専門家」なんてこんなもの。
池田信夫は専門家ですらない。