「某MMORPG」揺るがす重大課題 基本機能を犯罪に使うプレーヤー

無職 きょうもえ


 またか、というのが率直な感想だ。某MMORPG(大規模オンラインマルチプレイヤーロールプレイングゲーム)の機能で設定されている「PK(プレイヤーキラー)」が強盗・脅迫行為に当たるのではという疑問がネット上を騒がし始めている。


 ゲーム内の仮想通貨がユーザー間でやり取りが行われる行為のみであれば、これ自体は問題ない。しかし、その仮想通貨を外部のオークションサイト等を使って、現金化可能な状態が生まれると「リアルマネートレード(RMT)」と呼ばれる行為に当たる。これは、ゲーム内でモンスターを倒すなどの活動を通じて、獲得した仮想通貨を売買する行為だ。だが、今回は「PK」といった暴力を利用した機能があり、それが、「RMT」とが密接に結びつく可能性が出てきている。それは、刑法の定める強盗致死傷罪が成立する要件を満たす危険な状態になっている。


■元々は対決機能を利用した新しい遊び「PK」


 某MMORPGでは、キーボードのエンターキー押下でのチャット用の定型文に「ブッ殺す」という文章が含まれている。これを選択すると、「『ブッ殺す』…そんな言葉は使う必要がねーんだ。なぜならオレやオレたちの仲間は、その言葉を頭の中に思い浮かべた時には!実際に相手を殺っちまってもうすでに終わってるからだ!だから使った事がねェーッ!『ブッ殺した』なら使ってもいいッ!」と文面まるごとショートカットキーに登録したような割と頭のかわいそうな感じの、それでいて暇だから力だけは強い廃人クソゲーマーに襲われる。遊んでいるあるユーザーは「本来は、PK機能は、最初にゲームを始めたときに訳もわからずプレイヤーを攻撃してしまって即座に反撃を喰らい死亡」といった「OooOOoooOOoOOOOoと言ってみたい人向け」に付けられたのではないかと推測していた。


 PK機能そのものは、ゲームの基本機能なので、ゲーム内のどこにいてもできる。ただし、それにモヒカン性を絡めて遊びへと変えたプレイヤーが登場しはじめたのだ。盛んに行われているのが、「城下町」と呼ばれるゲーム内で人が良く集まる町の冒険を一緒に出かけてくれるプレイヤーを募集する場所だ。そこでは、他のプレイヤーも多く集まるところで、常に混雑している。


 そのチャットの中で、PKを行なって強盗をするキャラクターが呼び込みをやっている。「オヤジ狩りやりませんか?」、「相手レベル25以下で期待報酬200〜5000G」、「1回300Gで5人殺して報酬山分け」などの発言を繰り返している、様々なチンピラが存在している(Gはゴールドの略でゲーム黎明期からの仮想通貨の単位とか言わせんなよ恥ずかしい///)。プレイヤーが強盗を行う場合には、相手に話しかけ、相手が気を取られた隙に、仲間が背後からタコ殴りにし、見事殺害なら死体を漁り、負ければ電源切ってふて寝する。それが繰り返されている。余談だか回線切断する奴はクソだから死ね。


 強盗の一部には、誘うだけ誘って運営に通報するとか、自分の仲間が潜む場所に連れて行って逆に狩るというキャラクターもいて弱肉強食、騙されたほうが負けという人間社会の縮図も見られることがゲームの掲示板で書かれている。ただ、そこにつくレスはほとんどが「汚い汚いってアホかおどれは? 勝負に汚いもくそもない言うとるやろ、うざいわっ……!」という船井の言葉で埋め尽くされている。


 仮想通貨のやり取りをユーザー間で行っている限りでは、違法性はない。単なるゲームシステムに使われていたゲームの仕組みを、ユーザーがうまく新しい遊び方を見つけただけと言うことができる。嘘。殺し合いは昔からあったし。マリオの時代から。


■RMT行為と結びつくことで生まれる強盗致死罪


 問題は、そこから先にある。ゲーム内の仮想通貨を換金可能なRMTと呼ばれる状態が発生していることだ。某MMORPGは、ゲーム内のアイテムを他のユーザーと交換するためのトレードシステムがあるため、ゲーム内の武器はデフレ傾向がある。武器を作る職種のユーザーによって作られた武器を安い価格で販売するユーザーが後を絶たないからだ。また、ゲーム選択時の職業によっては、仮想通貨が大量に必要となる職種もある。あと金稼ぐの面倒くせえやつとか。あとリーマン。


 それらを手っ取り早く手にする方法が、RMTを通じてオークションサイトや専門業者から購入する方法だ。その逆もある。もし自分が大量のゴールドを抱えることができるならば、それを現金に換金することができるのだ。


 例えば、ヤフーオークションでは、50万ゴールドに対して、8万5000円という価格が付けられて販売されているものがある。また、多数のMMORPGの仮想通貨を扱うRMT業者も、一斉にMMORPGのゴールドの取引を始めている。あるサイトでは、RMTサイトのゲームの表示数では過去1週間で、MMORPGが、他のゲームよりも3倍近いアクセスがあり、RMTへの関心の高さもうかがえる。


 これほど大きな金額を短期間に動かすための一つの手段として、PKを使った殺戮が使われているのではないかと疑われているのだ。もし、それが事実であると証明できれば、強盗致死罪が成立する可能性は高い。それに関わっているユーザーも強盗致死罪が適用可能であり、同時に、さらにそうした環境を認めている運営会社に対しても原理的には適用可能で、さらには死体遺棄や犯人隠匿の罪に問われる可能性もある。


■行政が広げた仮想アイテムの経済価値の可能性


 ソーシャルゲームの分野で起きたいわゆるコンプガチャ問題で、消費者庁は6月28日に景品表示法の「『懸賞による景品類の提供に関する事項の制限』の運用基準」で重要な改訂を行っている。


 もちろん、決められたカードを集め、さらに、レベルの高いカードを手に入れることができるといった「コンプリートガチャコンプガチャ)」は違法行為に当たるとの見解がまとめられている。ただ、その条件の一つとして「ゲーム上で使用することができるアイテム等その他の経済上の利益を提供するとき」と踏み込んだ解釈を行ったことだ。範囲を限定しているとはいえ、ゲーム内のアイテムの取引が「経済上の利益」に当たると認める見解が初めて行政から出されている。下手をすると、そうすると、ユーザーが所有する仮想通貨にも経済的な価値があり、RMTには妥当性があると解釈を広げる余地ができてしまったのだ。それは、暴力を利用したゲーム全体が換金性を持つと、即違法性を持ちうるとの解釈も可能にしかねない。俺の解釈ではね。はい異論は認めませーん。


 ただし、これは1回300円のガチャシステムによる見解によるので、月額課金方式になっている某MMORPGに、そのまま概念があてはまるとは言えない。ただ、行政側の関与する余地を広げる道を作ったのは確かだ。俺の解釈ではね。


 PKとRMTを利用して遊んでいるプレイヤーに警告しておきたいが、自宅に突然警察が来て「かぎのおとが おやがかぎわたしや もうだめぽ」になる可能性があることは知っておくべきだ。エロ画像が300TBも詰まった誰に見せても恥ずかしいHDDを守れるように、仮想世界では、政府であり、行政であり、司法である運営チームに、現実の世界が必要以上に関わることなくすむように、何とか乗りきってもらいたい。あとはてブで「またつまんねえこと書きやがって死ね」とか書かないでいただきたい。ぼくだってお金がほしいんだもの。みつを。





みたいなアホ記事がインテリ用日刊ゲンダイこと日本経済新聞に載ってたのでみんなも見てみればいいと思うよ。
「ドラクエ10」揺るがす重大課題 基本機能を賭博に使うプレーヤー :日本経済新聞


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