産廃処理業54社に立ち入り検査 廃棄カツ問題で愛知県:朝日新聞デジタル
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壱番屋は騙されただけで何の責任もないと熱弁を振るう人達が多かったのでなんとなく疑問に思ってたんだけど、長崎県の廃棄物対策課がこんなツイートをしていた。
ココ壱がまだ紙面を賑わしています。悪いのは産廃業者の「ダイコー」ですが、ココ壱には責任がないのでしょうか?廃棄物には「排出者責任」というものがあります。廃棄物を出した人は、その廃棄物が適正に処分されるよう責任を持たなければなりません。そういう意味でココ壱にも責任があります。
— 長崎県廃棄物対策課 (@ngs_haitaika) 2016, 1月 18
それに対してアホみたいなリプライ送ってる連中がいていろいろ思うところがあるけど、それはそれとして実際責任があるかどうかを調べてみた。
産業廃棄物の処理を委託する業者の方へ -事業者の方へのお知らせ・廃棄物の適切な処理の促進に関する条例のあらまし-
排出事業者が確認するのは、
・運搬を委託する収集運搬業者の車輌や運搬容器、処分を委託する中間処理業者の施設及びその事業者の知識や技能などです。
委託時(委託後は毎年)の
確認事項の例は次のとおりです!
○ 許可の内容と事業者の実態は一致しているか。
○ 委託先の事業者の処理施設の規模や能力は委託内容に比べて十分か。
○ 処理施設や積替保管の場所は清掃が行き届いているか。
○ 受け入れた廃棄物の管理は適切か、過剰に保管されていないか。
○ 処理施設の周辺の環境に配慮をしているか。
Q1 実地に調査して確認することとしているが、「実地」とはどういうことか。
A1 「実地に調査して確認」というのは、委託先の産業廃棄物処理業者の処理施設がある場所において実際に調査することや、運搬車輌を直接調査することにより確認する行為を意味しています。したがって、書類で確認するだけでは不十分であり、実際に施設等を目で見て確認することが必要です。
毎年実地確認する必要があるので、そこで見抜けなかったんだとしたら排出事業者の責任になるのではないか。
7 事業者は、前二項の規定によりその産業廃棄物の運搬又は処分を委託する場合には、当該産業廃棄物の処理の状況に関する確認を行い、当該産業廃棄物について発生から最終処分が終了するまでの一連の処理の行程における処理が適正に行われるために必要な措置を講ずるように努めなければならない。
第十一条 事業者は、基本原則にのっとり、その事業活動を行うに際しては、原材料等がその事業活動において廃棄物等となることを抑制するために必要な措置を講ずるとともに、原材料等がその事業活動において循環資源となった場合には、これについて自ら適正に循環的な利用を行い、若しくはこれについて適正に循環的な利用が行われるために必要な措置を講じ、又は循環的な利用が行われない循環資源について自らの責任において適正に処分する責務を有する。
最終的に適切に処分されなかった場合の責任はどこにあるのか。
排出事業者にも一定の責任はありそうだけど。
改正廃棄物処理法(排出者責任) : 環境問題ミニ解説 : 一般社団法人日本環境化学会
そこで今回の改正のポイントとなったのが、「排出者責任」の徹底である。これまでは廃棄物の不法投棄を行った者に対してしか罰則規定がなかったが、その責任を排出事業者にまで拡大。排出事業者は、自らが排出した廃棄物が不法投棄された場合、それを撤廃する「原状回復」の責任を負わなければならなくなった。
また、今回の改正では、排出事業者に対して、委託した処分業者が不正処理をしていないかどうか、あるいはどのような処分場に運んでいるかを定期的に調査する、「注意義務」が課せられた。
従来、不法投棄を行った事業者などに対しては、都道府県知事や市町村長が原状回復を命じる「措置命令」を出していたが、その対象は不法投棄を行った当事者や許可を持たない業者に委託した排出事業者などに限られていた。それを排出企業に拡大した形である。
本来なら「注意義務」は、許可を認めている行政側にあるはずだとの見方もあるが、排出企業に自らの責任で処理業者を選ばせることで不法投棄を防ぐしかないという判断だろう。
2001年の廃棄物処理法改正時の文章。
注意義務があるのでそれを怠っていたとすればもちろん壱番屋に責任があるが、今回は処理業者が隠蔽していたので何とも言えない。
大量廃棄の時くらいチェックしろという考え方なら責任あり、見抜けるわけないだろと考えるのなら注意義務を満たしているとして責任なしかね。
あと、産業廃棄物には無過失責任(過失がなくても責任を取れという考え方)が採用されていないので民事上の法的責任を負う根拠はないらしい。
あくまで民事上の話なので他の法律とかだと別問題かね。
過去にはこんな判例がある。
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/395/035395_hanrei.pdf
被告人5名は,Bや実際に処理に当たる
者らが,同ドラム缶を不法投棄することを確定的に認識していたわけではないもの
の,不法投棄に及ぶ可能性を強く認識しながら,それでもやむを得ないと考えてB
に処理を委託したというのである。そうすると,被告人5名は,その後Bを介して
共犯者により行われた同ドラム缶の不法投棄について,未必の故意による共謀共同
正犯の責任を負うというべきである。
不法投棄について排出者の責任を認定した判例。
壱番屋がどういう認識だったのかがわからないのでなんとも言えないけど、ダイコーが不正処理する可能性を少しでも認識していたら責任があると認定される可能性もある。
まあ捜査が進めばいろいろな疑問は解決して最終的に責任があるのかないのかはっきりするんだろうけど、個人的には責任ゼロとはいえないんじゃないかなーって思う。
もちろん行政処分とか法的な対応とかはされないんだろうけど、一応自社の商品を不当に流出させちゃったんだから。
最大限同情するとして、それでも尚食品を扱う企業としての責任はあると思いますよ。
あとこれを責任ゼロにしちゃうと同じようなことが起きた時に立場の弱い産廃業者の口封じして知らぬ存ぜぬが通用しちゃったりしそうだし。
口頭でメッて言われるくらいの責任だとは思うけどさ。